音とクリスタルボウル
サウンドバスとは?音を「浴びる」ように聴く時間
音のお風呂に入る
サウンドバスという言葉を初めて聞いたとき、多くの人は「音楽を聴くイベントなのかな」と思うかもしれません。もちろん、音を聴く時間ではあります。コンサートのように演奏を正面から鑑賞する時間とは、少し違う過ごし方をします。
Sound Bath。音の風呂。
私はこの言葉の中に、音との距離が近くなる感じを受け取っています。音のある空間の中に、自分の身体を置く。音が空間に広がり、その空間の中に自分もいる。音と自分を完全に分けずに過ごす時間です。
クリスタルボウルやゴング、ベルなどが生み出す響きの中で、横になったり、目を閉じたりする。話さなくていいし、姿勢も自由です。音が聞こえてきたら聞く。遠く感じたら、その遠さも含めて過ごす。
うまくやろうとしなくていいこと。それが、サウンドバスの大きな特徴だと思います。
休むことは、今の自分に戻ること
忙しい日々の中で、休むことは意外と難しいものです。予定を空けても、頭の中では次の仕事を考えている。身体を横にしても、スマートフォンの通知や、誰かに返していないメッセージが思い浮かぶ。
「何もしない時間をつくりましょう」と言われても、何もしないこと自体に慣れていない人もいます。
サウンドバスでは、音がひとつの入口になります。考えごとが続いていても、音は鳴っている。ひとつの音が始まり、広がり、別の音と重なり、やがて消えていく。その変化に耳を向けているうちに、考えごととの距離が少し変わることがあります。
考えごとが続いていても、考えごとをしている自分に気づける。身体に力が入っていたことに気づける。眠気があることに気づける。
休むことは、いま起きていることを、急いで処理しなくてもよい場所に戻ることなのかもしれません。
眠ってもいい。そして、その先へ
サウンドバスでは、うとうとしたり、眠ってしまったりする人もいます。それは自然な反応です。身体が休息を必要としていたなら、眠りに近づくこともその日の体験のひとつです。
そのうえで、SENOA.が大切にしている状態があります。
力は抜けているけれど、意識はやわらかく残っている。音が鳴っていることを知っている。呼吸が変わったことに気づいている。まどろみと覚醒のあいだにあるような状態。
私はそれを、静かな覚醒と呼んでいます。
いつもの自分のままで大丈夫です。目を閉じているけれど、自分がここにいることはわかっている。音の余韻が消えたあと、静けさにも気づいている。そのような小さなAwarenessを大切にしています。
音楽の知識や瞑想経験は必要?
どちらも、なくて大丈夫です。
演奏を分析することも、音程を当てることも、瞑想の姿勢を保つことも、ここでは手放していい。音が好きな人も、普段あまり音楽を聴かない人も、自分なりの聴き方で参加できます。
ただ、最初にひとつだけお伝えしたいことがあります。
「何かを感じなければ」と頑張らないことです。
SNSで見るような美しいイメージや、深い体験を期待する気持ちは自然なものです。そして、実際の体験は毎回違います。音が気持ちよく感じられる日もあれば、考えごとが多くて落ち着かない日もある。身体が重く感じられる日もある。
その日の自分を、そのまま受け取ってください。
SENOA.がSound Awarenessと呼ぶ理由
SENOA.でも、入口としては「サウンドバス」という言葉を使います。検索する人にとってわかりやすく、一般的に知られている言葉だからです。
でも、私たちが届けたい時間を考えると、Sound Bathだけでは少し足りないと感じています。
音に包まれて、ただ心地よくなる。それは大切です。けれど、その心地よさを通して、自分の身体に何が起きているのかへ意識を戻していくこともできる。呼吸はどうか。胸やお腹はどう動いているか。音を聴いているとき、どこがゆるみ、どこがまだ緊張しているか。
音を通して、自分に気づいていく時間。
それを、SENOA.ではSound Awarenessと呼んでいます。
SENOA.のサウンドバスの流れ
神宮前のSENOA.では、最初にその日の体調や生活のリズム、最近気になっていることを伺います。初回は、音を聴く前に自律神経の測定を行うこともあります。
測定は、自分の感覚に、もうひとつの視点を加えるためのものです。
そのあと、横になって音の時間を過ごします。私は、会話や体感、音同士の関係を手がかりに、その日の響きを組み立てます。
セッションのあとには、感じたことを伺い、必要に応じて再度測定した結果も一緒に見ます。数値は、変わっても変わらなくても、その日の自分を知る手がかりです。
「思っていたより緊張していた」「身体は静かだったけれど、頭は動いていた」「音のあとに言葉が少なくなった」。そのような気づきも、体験の一部です。
音の中で、自分の感覚へ戻る
音は、自分の答えを感じられる場所へ戻るための入口になります。忙しさの中で聞こえにくくなっていた感覚を、少しだけ取り戻せることがある。自分が何を心地よいと感じ、どこに違和感があり、何を選びたいのか。
その感覚は、とても小さく現れることがあります。音の消え際にふと浮かぶこともあるし、帰り道の歩き方が少し変わることで気づくこともある。
私は、そうした小さな変化を大切にしています。
SENOA.のサウンドバスは、音に包まれ、音から自分へ戻り、その自分で日常へ帰っていくための時間です。
サウンドバスを選ぶときの視点
サウンドバスを選ぶときは、使われている楽器の種類や開催場所に加えて、どのような時間を過ごしたいのかを考えてみるとよいと思います。大人数で音を共有したいのか、一人で静かに受けたいのか。音楽として聴きたいのか、身体の感覚へ意識を向けたいのか。
SENOA.では、一人のための時間を大切にしています。自分のペースでいられて、途中で感じ方を変えてもよい。音を聴きながら、自分の内側へ戻る速度を自分で探せるからです。
体験の目的は、ゆるやかなままで大丈夫です。「今日は少し静かに過ごしたい」「自分の身体を知りたい」と思ったら、その気持ちを入口にして来てください。
※ SENOA.のサービスは医療行為ではなく、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。感じ方には個人差があります。